忍者ブログ
2013年4月12日発売! 大橋崇行・著、和遥キナ・イラスト 『ライトノベルは好きですか? -ようこそ! ラノベ研究会』(雷鳥社) の公式ブログです
 10 |  8 |  7 |  6 |  5 |  4 |  3 |  2 |  1 |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

朝野「さて3日目は…ちんちん!」
山口「なんだかもう、ツッコミを入れるのもアホらしくなってきましたね」
若菜「もう…えっちなのは…(>_<)」
朝野「だって、しょうがないでしょ。略称が本当に『ちんちん』なんだもん」
光輝「米倉あきら『インテリぶる女子中学生とハメたいせんせい』(HJ文庫)ですね」
結衣「たしか、HJ文庫で賞を獲ったときのタイトルが、『せんせいは何故女子中学生にちんちんをぶちこみ続けるのか?』だったから…だっけ?」
朝野「私はむしろ、女子中学生より男子中学生…」
結衣「黙れ(-_-;)」
朝野「ひどい…最近、明石ちゃんに冷たく扱われてるなあ。これでも、あなたの指導教員なのよ。しくしく」
結衣「だったらもう少し、教員らしい発言をしてくださいよぉ…」
山口「まあまあ。今日は、みんなで『ちんちん』について考えてみようという感じですね。なんだかいろいろ、ご縁がある小説みたいですし。ネット上では、ずいぶん物議を醸した作品ですが…」
結衣「あはは。森晶磨の『奥ノ細道・オブ・ザ・デッド』に続いて、ラノベから『日本タイトルだけ大賞』を受賞しそうな有力候補って感じ?」
朧「パッケージはラノベだけれど、内容的にはこれがラノベなのかどうかも、議論になりそうね。見方によってはラノベというより、ミステリそのものだもの」
若菜「それはもしかして…ヒロインの比良坂れいちゃんが、キャラとして弱いということですか!? 私と重なるところも多いので…ちょっと残念です」
結衣「(まあ、そりゃそうよね…いろんな意味で)というより、内容的に、ミステリ小説のジャンル・パロディだから、かな」
若菜「なるほど。ライトノベルでミステリをやると、実はほとんどの場合、まったく売れないで終わるということですね! 富士見ミステリー文庫があっさり廃刊になってしまったように」
山口「藤原さんの毒は、ときどき、痛いところを突いてくるんですよね…」
朝野「たしかにライトノベルでパロディの手法を使うのは常套だけど。やっぱり、パロディにして受け入れられやすいのは、どうしてもマンガやアニメ、ゲームのネタかしら。柏木はどう思った?」
光輝「そうですね…HJ文庫からでている時点で、多くの読者にはライトノベルだという先入観が働くので、ライトノベルとして、ライトノベルに沿った読み方で読むでしょうか。少なくとも、ミステリの読者が入ってくることはほとんどないでしょうし」
朝野「まあ、そうかな。『ラノベよみ』の小説の読み方って、一般文芸を読んでいる人の読み方と比べて特殊な部分も多いから。だからこそ、ラノベの読者は自分たちが読んでいる小説が特殊なものだって思いがちなんだけれど…それって、一般文芸と同じような書き方になっている部分を読み落としているという側面も強いのよね。普通の小説を普段読んでいる読者がラノベに入ってくると、案外、普通の小説として読めたりするから」
結衣「でもやっぱり、ラノベと一般文芸とで違う部分はありますし…逆に言えば、一般文芸を読んでいる人がラノベを読んだときには、ラノベの特徴的な部分がを読み落としているということですよね?」
朝野「おお、さすが明石ちゃん。そうね。ある意味ではラノベと一般文芸のあいだにある垣根は思ったより低いし、別の意味ではお互いに深い溝があるって感じかしら。もうおねーさん、カレシなんかいらないから、明石ちゃんをカノジョ兼助手にしたいくらいよ…」
結衣「丁重におことわりします(にっこり)」
山口「つまり、いわゆる『ラノベらしさ』っていうのは、もしかしたら先入観の固まりみたいな部分も大きい、ってことですか?」
光輝「個人的には…違いはたしかにあるけれど、評論でライトノベルを論じてきた人たちが、一般文芸とは違うんだっていうことを言い過ぎてきた感じはあるっていう印象かな。少なくとも、一般文芸にも応用できる部分があるから、東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』みたいな小説が書けてしまうわけだし」
朧「あとは、パッケージングとか、イラストが読書に与える影響っていうのも大きいわね。『ちんちん』の場合、ラノベにパッケージングしたし、作者はミステリをラノベに寄せようという書き方はしているんだけど、メタ・ミステリとしての部分が強く残ってしまった感じ」
山口「わかります! 僕は『ちんちん』作者の米倉あきらって、まさにそのケースだと思ってるんですよ。普段ミステリを大量に読んだり書いたりしていた人が、ある程度ラノベに目を通してからそれに合わせた様式で書いてみて、たまたまラノベの新人賞に送ってしまった…みたいな」
光輝「そういう作家論はちょっと危ないかな…本人にしか分からないことだから、証明できないわけだし。僕は、けっこうおもしろく読んだけど」
若菜「柏木さんは、どのあたりがおもしろかったんですか?」
光輝「この小説、ミステリで起きる『殺人』を、『強姦』に置き換えた作品なんだよ。ミステリではつぎつぎに殺人事件が起きて、人が死んでいく。それが許される。じゃあなんで、同じように謎解きの構造を持った小説で、つぎつぎに強姦事件が起きるのはミステリとして認められないのか…っていう。ミステリはかなり保守的な部分が大きいから、もしこの小説をミステリの新人賞に送ったら、一次選考さえも通らなかったと思うんだよね」
結衣「そうね…今でもラノベに対して、会話文ばっかりでできた小説みたいなイメージを持っている人って多いから、この小説みたいに地の文が理屈っぽい小説って嫌われやすいんだけどね。あたしは、九岡望の『エスケヱプ・スピヰド』とか、紅玉いづきの小説がラノベとして売られていると考えれば、もう『ちんちん』(言いにくいな…)みたいな小説がラノベだっていわれても違和感はないかな。ヒロインの比良坂さんはちゃんとキャラクターになってたし。だから、ラノベだからこそ出せたっていうか、こういう普通の小説では拾い上げられないエッジの利いた小説が突然出せてしまうっていうのも、ラノベの魅力のひとつなんだと思う」
朧「それに、『ちんちん』の担当編集者は、こういうのものすごく好きな人だから」
山口「なんでそんな情報を!?」
光輝「…というか、上杉さんは相変わらず謎ですよね」
若菜「あのぉ…」
結衣「ん? どうかした?」
若菜「みんながこんなに真面目にラノベについて話し合うなんて…そんなの、ラノベ研としておかしいと思いますっ!」
山口「えぇぇぇっ! 藤原さんが空気を読んだ発言を!?」
朧「そうね。今日の記事は、もう読んで下さっている方が、どんどんヒイていくのが手に取るようにわかるわよね…うふふ、いいわ。いい感じよ」
結衣「本編は、ここまで堅苦しい感じではないですから、安心して買ってくださいねっ!(焦)」

拍手[3回]

PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
♥ Admin ♥ Write ♥ Res ♥
プロフィール
HN:
藤原若菜
年齢:
29
性別:
女性
誕生日:
1994/12/25
職業:
大学生
趣味:
ライトノベルを読むことです!
自己紹介:
聖城大学文学部日本文化学科1年生の藤原若菜です。
このブログでは、『らのすき』情報を少しずつ出していくそうですよ。
ステマを流してくれる方もいないから、ご自分で営業するなんて…作者の大橋さんは、きっとお友達が少ないに違いありません!
カテゴリー
Copyright ©  らのすきブログ  All Rights Reserved.
*Material by *MARIA  / Egg*Station  * Photo by Kun  * Template by tsukika
忍者ブログ [PR]